第1回高専起業家サミット・プラチナスポンサーインタビュー【日本たばこ産業】 企業一覧

第1回高専起業家サミット
PLATINUM SPONSOR INTERVIEW

新製品開発や海外での仕事にも従事。高専卒社員のキャリア形成について、その一例を追ってみた

日本たばこ産業

メーカー

取材させていただいた方

畠山 祐希さん

所属・役職
国内たばこ 品質&技術部 課長代理(入社16年目)
出身高専
北九州工業高等専門学校 電気電子工学科(現:生産デザイン工学科 電気電子コース)

最も成長を感じた、「Ploom S」の導入プロジェクト

高専に進学されたきっかけを教えてください。

母親から薦められたからだったと思います。当時の自分らしいなと思うのですが、「高専って校則が緩いよね」とか、「服装がわりと自由だよね」とか、そういった特徴にかなり惹かれました。

「就職率が高かった」のもきっかけの1つです。電気電子工学科に進んだのも、正直そのような理由からでした。

実際に入学されてみて、いかがでしたか。

イメージしていたよりも自由でしたね。学生服を着ている人はほぼいなかったですし、金髪でも何も言われないような環境でした。ただ、自由であるからこそ、自立が求められていたと思います。

高専卒業後、新卒ですぐに日本たばこ産業(JT)に就職されたのですか。

はい。他企業に比べて給与水準が高く、年間休日も多い点、住宅補助などの福利厚生が充実していた点に魅力を感じ、入社を決めました。

まず、どのような業務を担当されたのでしょうか。

浜松工場(2015年3月末に閉場)に製品担当として配属され、7年間勤務していました。4年目まではたばこを製造する機械のオペレーションメンテナンス管理を、5年目からは製品工程のあらゆるデータを収集・分析し、特に注力して改善すべき点を見つけ、実際に改善する業務をしていました。

商品を製造していると、綺麗な形にならなかったり、箱の糊付けが剥がれたり、パッケージのフィルムにしわができたり、印字がかすれたりなど、そういった不具合が発生する場合があります。そのような不具合のあるものを市場に流出させないようにしなければなりません。私は、不具合を検出するセンサーなどを工程に新たに設置したり、製造装置の性能を管理したりしていました。

新しい材料や新製品を工場で使用・製造し始めたタイミングで、今まで知見がなかったような不具合が起こる場合があるので、それに対して都度改善していく必要があるのです。

高専の電気電子工学科で学んだ知識は活かせましたか。

活きました。PLC(機器の制御装置)を使ってセンサーを制御するときは、高専で学んだ弱電系の知識がかなり役立ったと思います。高専で勉強していたときは「これ、何に使うんだろう?」と思っていた知識が、仕事をする中で「こうやって使うんだ」と、腹に落ちてくる感覚がありました。

浜松工場で勤務された後は、どのような仕事をされましたか。

8年目から2年間は、九州工場(2022年3月末に閉場)に在籍しました。業務内容は浜松工場から変わりません。

そして、10年目からは東京の生産技術センター(Manufacturing Technology Center, MTC)で勤務していました。そこには、JTI(JTインターナショナル、JT国際部門)を含む工場の製品工程の改善や効率向上のための技術的な支援をしている部署と、新しいセンサーや機械、装置の開発などを担っている部署があるのですが、私が配属されたのは後者の開発系の部署です。

実は私が配属されたのは、加熱式たばこ「Ploom S」の開発が決まったタイミングでした。それまでも「Ploom TECH」という、40度~50度くらいの低温加熱帯の製品があったのですが、高温加熱帯の製品「Ploom S」によって紙巻きたばこにより近い味を実現するという、今までにないプロジェクトが始動する時期だったんです。

新製品をつくる際は、まずマーケティング部門が新製品のコンセプトを決めたのち、R&D(研究開発部門)がそのコンセプトを満たすための材料や重量、味などといったスペックを決めます。そして、そのスペックを満たすたばこをつくるために、工程や機械の検討・準備を行うのが、私のいたチームの仕事でした。

このプロジェクトは私を非常に成長させてくれました。製品担当の経験が活きる部分も当然ありましたが、当時、開発に関する知識が全く無かったため、かなり勉強する必要がありましたね。

工程開発業務においても高専で学んだ知識が役に立つところは多々ありました。例えば、「機械を接続する変電設備の仕様」と「導入する機械の仕様」が適合しているかを確認する際には、送変電の知識が必要です。また、機械制御の知識を活用し、導入した設備を含め、製造工程全体のプロセスを制御系から見直すこともありました。

今現在は「Ploom S」の後継デバイスである「Ploom X」関連の仕事をしており、新製品の開発プロジェクトにも関わっています。

働くなかで変わっていった「話し方」

現在の畠山さんは課長代理ですが、仕事をする上で意識していることは何ですか。

私は今36歳ですので、後輩が多いんです。同じチームには30歳前後の方が4人いるのですが、本社にいるその年齢層の若手はみんな頭が良くて(笑) 理路整然とした説明を求められるので、自分の説明に変なところがないか、腹に落ちるような説明になっているかを意識するようにしています。

入社以降、特に東京で勤務し始めてから話し方や説明の仕方は変化しましたね。先ほどお話ししたPloom Sなどの大きな施策だと、導入する工程について、社長を含むトップマネジメントへ説明する資料をつくる必要があります。誰でも納得できるように、資料の作り方や、話し方の部分で、論理的であることを意識しました。

職場環境については、いかがですか。

「風通しが良い」職場だと思います。職位に関係なく、仕事もプライベートもざっくばらんに話ができる環境だなと。仕事の面では、気になること、わからないこと、納得いかないことについては、上司にはっきりと伝えます。

本社内の様子。リラックスできる環境もあります

上司にはっきり伝えるのは気後れしそうですが、お互いやりにくくなったりしないんですか。

しません(笑) むしろ、上司も含めチームでの建設的な議論は歓迎されます。ただし、お互いに、丁寧に話を聞くことが重要だと思います。何がその人の言いたいこと・困っていることなのかを自分なりに分析し、話を一通り聞いた上で、自分自身の役割、関係部門の巻き込み方、こういう方向性で進めればいいんじゃないか等、自分の確認したいことや意見を伝え、上司とやり方を決めていきます。

私が入社した当初の上司も、丁寧に話を聞いてくれる方でしたし、若い方だったのでこちらも話しやすかったことを覚えています。

本社食堂の様子。開放的な空間

若い方でも管理職に登用されるんですね

はい。学歴に関係なく様々な学び・挑戦の機会が用意されていますし、実績次第で、管理職への登用や、海外赴任等の機会を掴むことも可能です。

高専でもJTでも求めた「自由さ」

畠山さんは、今後のキャリアをどうしていきたいと考えていますか。

海外をベースに活躍していきたいと思っています。

実は、MTCに配属されて以降、ロシアとドイツで1年間ずつ、計2年間ほど勤務したことがあるんです。グローバルエンジニアリングという部署に配属となり、Ploom Xの世界拡販のための製造工程導入に携わっていました。

もう一度海外で働きたい理由を教えてください。

現在、グローバルエンジニアリングの部署では、海外工場も含めた世界規模での製造設備の選定や仕様に関する方針を、自分たちで決めることができます。そういう点にやりがい・魅力を感じていました。

また、先ほどJTの風通しの良さについてお話ししましたが、海外はその傾向がより顕著だと思います。「なぜこうしないといけないのか」といった理由を、しっかりとしたロジックで議論していくスタイルだったのもポイントです。

一番素直な理由としては、海外の方が性に合っていたことでしょうか(笑) 生活も自由ですし、2週間や3週間のバケーションがあるみたいな、そんな自由なところが好きでした。高専への入学理由にも「自由さ」がありましたが、会社で働く中でも、自由さを求めてキャリアを選択してきたと思います。

JTでは、社員の皆さんが自立的にキャリア選択をしているのですか。

年に一度キャリア面談という、社員一人ひとりが自身のライフステージややりたいことを上司に伝える機会があります。また、キャリアチャレンジやジョブマッチング等、自立的なキャリア開発のための制度が整っているため、自由度は高いのかなと思います。

海外を含め、能力があればキャリアの選択肢が十分に用意されている会社ですし、早期のキャリアアップも可能ですので、魅力的な会社だと思いますよ。

最後に、高専生に対してメッセージをお願いします。

英語は勉強しておいて損はないです。私は高専生時代に全くできませんでしたが、入社後、海外のサプライヤーとよく連絡するようになったことをきっかけに、自分で勉強したり、社内の英語研修プログラムを受けたりすることで身につけました。

また、専門分野の知識を学び、研究でさまざまな作業をする経験は、高専でなければ得難いものだったなと入社してから思いました。高専にいる間にたくさんのことに触れ、研究し、学ぶと良いと思います。

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このインタビューは『第1回高専起業家サミット』
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