第1回高専起業家サミット・プラチナスポンサーインタビュー【レアゾン・ホールディングス】 企業一覧

第1回高専起業家サミット
PLATINUM SPONSOR INTERVIEW

スピード感をもって、次々に立ち上がる新規事業。その根底にあるビジョンやカルチャーについて聞いてみた

レアゾン・ホールディングス

インターネット関連サービス

取材させていただいた方

丸山 雄也さん

所属・役職
開発本部 マネージャー

なぜ分野が違う新規事業が、次々に立ち上がるのか

主な事業内容と業界内での強みについて教えてください。

レアゾン・ホールディングスは、インターネット広告事業から始まり、ゲーム事業、フードテック事業、ブロックチェーン事業、コンテンツ事業、ファイナンス事業(投資事業)、研究開発など、様々な事業を展開しています。

また、新規事業の立ち上げとスピード感を持った開発が弊社の強みだと自負しています。

なぜ事業内容が多岐にわたっているのでしょうか。

多様な事業内容という現状は、弊社が最初から目指していたわけではありません。弊社は何よりも、「世界一の企業へ」という目標を揚げています。この目標の達成のために、チャンスがあればどの分野の事業であっても挑戦するというのが、全社員のスタンスです。それを実行し続けた結果、多岐にわたる事業内容を扱う会社に成長したんだと思います。

時代のトレンドや状況を見定めつつ、今あるチャンスを掴めるよう、積極的に新規事業を立ち上げ続けています。

新規事業立ち上げの際に、「スピード感」を大事にされている理由を教えてください。

スピード感を持ってユーザーに届けることで、いち早くユーザーからのフィードバックをもらえますし、時間がかかってしまうことで、トレンドが変わってしまう可能性が大いにある、というのが一番大きな理由です。トレンドを逃すと、せっかくいい発想でもチャンスを掴めなくなってしまいます。

ちなみに、新規事業立ち上げの流れはいくつかありますが、弊社では構想を決めた後、その分野の第一人者をチームに招き入れて事業を進めることがあります。これにより、スピード感と専門性を共存させながら、制作物やサービスを形にすることが可能になります。

高専人材はどのように活躍されていますか。

エンジニアとしても、それ以外の役職でも、最前線で活躍されている方が多いです。新卒メンバーには、エンジニア職としてゲーム事業やフードテック事業に関わっていただいています。「エンジニア」と一言でまとめてしまいがちですが、プロダクト開発やデータサイエンティストなど、その活躍の幅は広いです。また、経営側に立って現場の最前線を走っている方もいます。

高専出身者は、ご自身が興味を持つ分野に対し、深く突き詰めて考えてきた方が多いように思います。その専門性は大きな長所ですし、学んできた分野とは違う分野に配属された場合、新しい分野にも面白さを見出し、正面から突き進む積極性を持っています。基本的にものづくりに対する想いが強い方が多いので、弊社のカルチャーとマッチしていると感じますね。

高専で学んだ専門分野で、御社の仕事に直接活かせるものはありますか。

弊社は、何かを作り上げるときはプロダクトを第一に考える「プロダクトファースト」という主義を持っています。「この技術を使いたいからプロダクトを作る」というよりは、「作りたいプロダクトのために何が必要なのかを選んでいく」という考えですね。「プロダクトのために自分は何ができるのか」を常々考えて行動するというカルチャーがあります。

高専人材は、こうした企業風土にマッチしているんです。エンジニアとしてはコーディングやプログラミング技術をそのまま活かせますし、学んだことを応用してプロダクトを作っていくという「思考」自体も、「プロダクトファースト」というあり方に活かせると思います。

社員育成の取り組みについて教えてください。

新入社員の方向けに2週間ほど全体研修を行っており、ビジネスの基礎に関することを学んでいただきます。また、エンジニア職向けだと、そこから2ヶ月半ほどエンジニア研修を用意しています。研修後は基本的にOJTの形を取っており、現場に入って細かい流れや作業を覚えていき、事業の全体像などを理解しながら徐々にステップアップしていただいています。

「世界一の企業へ」というビジョンを達成するために

2024年1月から、御社は「GIFTech」というプロジェクトを始動されました。それについて教えてください。

「GIFTech」は「Gifted +Tech」の造語です。“テクノロジーとモノ創りを楽しむ才能”を伸ばし、「仲間との共創能力に長け、プロダクトやサービスを0から開発ができるエンジニア」を育成することを目的としています。だから、一人ではなく、仲間と共に、アカデミーや次世代型ハッカソンに挑戦し、プロダクトやサービスをゼロから開発するアイディアや技術を深掘りしていく、というものになっています。

GIFTechのロゴ

弊社では、「世界一の企業へ」という目標を達成するために、その「企業」を構成する「人材」を育成することが、必要不可欠だと考えています。また、自社のみならず、日本の産業全体での底上げを計ることも弊社のミッションです。

そこで、育成を目的(の一つ)とするGIFTechを開催することにしました。エンジニアとして高い質を持った人材を数多く育成することは、スタートアップ支援への取り組みに繋がると考えています。
(※GIFTechは高専枠を設け、今回3名の方に参加頂いているそうです)

GIFTechが目指す将来像や、具体的な中身について教えてください。

GIFTechは、関与する全ての企業や人が“成長できる”ことを目指し、弊社単体で行うのではなく、著名な他社テックカンパニーやクリエイティブエージェンシーと協業して、社内外のエンジニアを対象に“テクノロジーとモノ創りを楽しむ才能”を開花させるプロジェクトです。

他企業や学校との共創、プラットフォームの立ち上げ、エンジニアやクリエイターとして成長したい社会人や学生の支援、世の中を変えていくクリエイティブの創出を通じ、「やりがいや充実の“格差”」をなくしていくことをビジョンとしています。

GIFTechスタート時のプレスリリースより

具体的な企画内容の検討は、アンケートを通じてエンジニアの方々の生の声を拾うところからはじめました。すると、「現在IT業界で躍進している企業のエンジニア」と「全国のZ世代のエンジニア」の間に「やりがいや充実」の点で意識の差があることが分かったんです。

そこから、こうしたギャップが業界内で問題を生じさせているのではないかと考え、「Z世代」、さらにその次の世代のエンジニアに対してアプローチする企画がいいのではないか、と構想を膨らませていきました。

GIFTechの具体的な取り組みとしては、使用するターゲットを一人(N1)に絞ってプロダクト開発を進め、その過程でユーザー視点の思考法や仲間との共創法を学ぶなど、弊社のスタートアップ支援と親和性の高い次世代型ハッカソンを始めています。

YouTubeでは「GIFTech CH」を立ち上げ、著名企業のプロダクトやサービスの開発ストーリーをMVP(Minimum Viable Product、必要最小限の製品)にフォーカスして、モノ創りをする際のスキルを学ぶ動画を公開しています。

御社は投資事業も行っているのですね。

はい。弊社は社内の新規事業立ち上げのみならず、他社のスタートアップ事業にも投資しています。繰り返しになりますが、会社という垣根を越えた業界の底上げを、心から望んでいるんです。協力会社さんやスタートアップ企業さんに対して、弊社でお手伝いできることをさせていただいています。社内外問わず、一緒に成長していきたいですね。

「総合力」が実社会に活躍する人材の共通項

御社ではインターンシップを行っています。

昨年は「5日間コース」と「10日間コース」を用意しました。5日間コースでは新たなゲームの作成を、10日間コースでは、本社で実際に運用しているゲームについて機能を追加する仕事を体験してもらいました。

どちらのコースでも、現場で使っている技術を使用し、簡易的ながらも実際に遊べる状態にして、発表会も行いました。ゲームを一人で作ったり、実際にプレイされているゲームの開発現場を見たり、という珍しい経験ができたことに対し、面白く魅力的だったと高い評価をいただけました。

今年はさらにパワーアップし、テックだけでなくデザイン要素も組み入れた内容が出来ないかと構想していますので、楽しみにしていただければと思います。これからの時代は、テックとデザインのお互いの領域の理解が重要視されてくると思いますので、その想定をインターンシップの場でも活かしているんです。

最後に、高専生に対してメッセージをお願いします。

弊社は新規事業立ち上げを得意とする会社です。会社が大きくなっていっても、少人数の時と変わらないスピード感をずっと大事にしています。また、事業としても、個人としても、とにかく「チャレンジ」を歓迎する環境です。自分が興味を持ったことに対してしっかりと情熱を傾け、チャレンジして突き詰めていくことができる資質を持った高専の方は、そんな弊社と相性が抜群だと、勝手に(笑)感じています。

また、これからの時代、実社会で活躍するのは専門性のみならず「総合力」をもった人材でしょう。弊社はテックだけではなく、デザインやマーケティングやビジネスなどを掛け合わせてプロダクトとして打ち出していますから、専門性と総合力を兼ね備えたスペシャリストとなって、羽ばたいてもらえるのではないかと思います。

とにかく弊社では、様々な事業が立ち上がるそのスピード感を直接感じることができます。若い皆さんに、そんな弊社でいろんなことにチャレンジしてほしいですね!

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このインタビューは『第1回高専起業家サミット』
プラチナスポンサーの提供でお届けします。

高専起業家サミットとは?

高専生の積極的な起業を応援するべく、高専機構と月刊高専が主体となりスタートした『高専スタートアップ支援プロジェクト』の取組の一環として企画されたイベントです。
2024年3月11日に第1回を開催。全国の高専からエントリーした中より選ばれた60チームが一堂に会し、ビジネスプランの発表と交流会を行いました。
高専スタートアップ支援プロジェクトは、今後も中長期的に高専起業家をサポートできるプラットフォームづくりを目指し、活動を続けていきます。

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